10月に入り9月の暑さが嘘のような気温の低下ぶりを見せる今日ですが、涼しくなったおかげで木道に設置した竹竿にアカトンボが集まってきました。
ナツアカネ(Sympetrum darwinianum )のオスがいました。オスは全身真っ赤でまさに夏色といった感じ、夏に羽化し涼しい高山で夏を過ごすアキアカネと違いナツアカネは夏でも日の当たる日向よりも暗くて気温が低い森の中で秋まで過ごすため、「夏でも見られるアカネ」でナツアカネという和名がつきました。
木道の日陰に入るとまた別のアカトンボが、後ろ姿しか撮れませんでした、、、
ネキトンボ(Sympetrum speciosum)です、桶ヶ谷沼では結構珍しい赤トンボでなかなかお目に掛かれません。名前の通り翅の根元が黄色からオレンジ色になっています。午前中の交尾や産卵の時間帯になると見つけやすいかもしれません。
逆光なので来た道を戻るとアキアカネ(Sympetrum frequens)のメスがいました。
アキアカネとナツアカネのオスは見分けがつきやすいのですが、メスは色合いが似ていて遠目だとなかなか分かりません。胸の真ん中の黒い模様が尖っていたらアキアカネ、途中で切れて平坦になっているとナツアカネです。この特徴ははっきりと出るのでカメラか双眼鏡があると観察しやすいです。
木道を抜けて先に進み甑塚に行くとまた別のアカトンボがいました。
リスアカネ(Sympetrum risi)のオスです。翅の先が黒いためのノシメトンボと間違えそうですが、リスアカネとノシメトンボは胸が褐色なところは同じで、リスアカネは腹部が赤く、ノシメトンボは暗い臙脂色なため知っていれば迷うことはまずありません。ちなみに名前の「リス」は動物のリスではなくスイスの昆虫学者フリードリヒ・リスから来ています。
ロープにまたリスアカネいると思い別角度からとろうかなと思って写真を撮ったら別種であることに気づきました。
コノシメトンボ(Sympetrum baccha matutinum )です。リスアカネと大きさや翅の先が黒い所は似ていますがこちらが全身がナツアカネのように真っ赤でこれまた特徴的。
名前にノシメトンボが入っていますが、実はヒメアカネやマイコアカネに近縁な種類のトンボです。
これから12月までアカトンボが見られるため竿の先に止まったところをじっくり観察できるでしょう、また、この季節は大陸の方から渡ってきたアカトンボも見られ始めるためそんな珍種を探してみるのもいいかもしれません。