磐田原台地のイワタオサムシ

この時期の曇りの日や日の当たらない林床をよく見ていると落ち葉の上を何かがカサカサと歩いているのがわかります。

磐田原台地に生息するイワタオサムシ(Carabus komiyai matsunagai)です。

小笠山周辺に生息しているカケガワオサムシ(Carabus komiyai komiyai)の磐田原台地に生息している亜種でカケガワオサムシよりも1周り大きいなどの特徴があります。

ちなみにフクロイオサムシはいません。

オサムシは本来硬い上翅の下にある後翅が退化しており移動分散能力が低く、山や川を超えることができません。

そのため遺伝子的な交流が広く行われずに地域ごとに分化し、同じ種類であっても地域ごとに特徴が違う亜種が存在するわけです。

イワタオサムシもまた天竜川と太田川に阻まれ磐田原台地に取り残されたことで本来同種であるカケガワオサムシとは異なる特徴を有するようになったのです。

磐田原台地周辺と限られた場所に生息していますが個体数はそれなりに多く、自然が多く残っている桶ヶ谷沼では頻繁に見ることができます。